【壊れにくい】もう剥がれない|創業100年の老舗靴屋が教える、長持ちする靴

こんにちは?

教える靴屋さん、コジマです。

出かけた先で靴の底がはがれてしまって困ってしまった方はいませんか?

通常、ソールとアッパーは、接着剤を付けて、プレス(圧着)することでくっ付いています。

そうした作り方が、一番簡単で安上がりなんだそうです。

ですので、世の中にあふれている靴のほとんどは基本、接着材を使ってつくられているのです。

先日の投稿でもお伝えしましたが、こうして壊れてしまう原因は、アッパーの合皮の寿命であったり、接着剤の寿命であったり、靴底モールド自体の素材の寿命であることが考えられます。

では、これらはしょうがないことなのでしょうか?

いえ、世の中には、その弱みを克服した靴があるんです!

さすがですね~?!

靴底のはがれない靴はあるのか?

先ほどは、「ほとんどの靴は、接着剤でくっ付けられている」と言いましたが、

接着材を使わずに靴を作っているため、接着剤の寿命自体がそもそも存在しないのです!

え、じゃあ、どうやってくっ付いているの?と思うかもしれませんが、

靴底のモールドを整形するとき、素材自体が固まるその力を利用して、アッパーとくっ付けているという仕組みです。

これを、業界用語で、「インジェクション」製法と言います。

インジェクション製法を用いて作られている靴で、有名な靴で言うと、

よく学生さんが履いている上履きです。

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もちろん、この形がすべて同じ製法というわけではない(接着剤を使ったモノもある)ので、注意が必要ですが、

このムーンスター「アルファスクールカラー」という上履きは、インジェクション製法になっています。

たしかに、この上履き、一度もソールがはがれているところを見たことがありません!

兄弟で、何世代にもわたってはおさがりを履いている子を見たこともありますが、

どんなに汚れようが、靴底が減ろうが、布地がすすけてこようが、

毎週のように力任せにゴシゴシ洗われていようが、はがれないのです。

スゴイですよね。

これが、インジェクション製法の強みです。

でも、インジェクション製法には、大掛かりな機械設備が必用なので、1つの商品を作るのにとんでもない金額がかかります。

メーカーさんに聞くところによると、1足新製品を作るのにも、ウン千万かかるとか…

そんな激レアなインジェクションシューズですが、

よーく探すと、みつけられるはずです。

安いのに、インジェクション!?

定番の靴では、インジェクションの靴が安く売っていたりします。

ただし、安い靴の場合、気を付けなければいけないポイントが。

それは「アッパーが合成皮革」であるということ。

接着材を使わないインジェクション製法でも、アッパーが合成皮革だと、

合成皮革自体の寿命で、ボロボロとひび割れ崩れてしまい、結果的にソールがはがれてしまう場合があります。

本当に長持ちする商品を探すなら、アッパーが本革の商品!

アッパーの劣化によるソール剥がれを避けるのであれば、劣化しない商品を選ぶ必要があります。

そうなると、やはり革なんですね~。

革は、定期的なお手入れが必用で、面倒くさがる人が多いのですが、

逆に言うと、手入れさえしっかりしていれば、半永久的に持つと言えるほど、超長持ちなのです。

良く、「一生モノ」なんて言われていたりしますよね~。

修理の際には注意が必要!

インジェクション製法の靴は、ソール素材にウレタン系の素材を使うことが多く、

ゴムよりも軽く、滑りづらいのですが、

釘などを踏んでしまうと、メリメリメリっと亀裂が広がりやすい。

これは素材の特性上しょうがないのです。

しかし、この特性を知らない靴の修理屋さんに頼んで直してもらったりすると、

修理材を靴底に釘で打ち付けて直す修理をしてしまうことがあります。

これをしてしまうと、もう亀裂は元には戻せません。

なんとか、亀裂がひろがらないようにシューグー等で亀裂を埋めて直すことになります。