【靴屋の常識2】捨て寸って知ってますか?

靴のサイズは、メーカーやモデルによって違います。

――そんなこと知ってるよ!という声が聞こえてきそうです。(笑)

しかし、よ~く考えてみてください。すごくおかしなことですよね。

メーカーが違えば、サイズも違うのはわかりますが、同じメーカーでも靴のサイズが違ったりすることは、ザラにあります。

どうしてこんなことが起きるのでしょうか?

それは、靴を作るときに必ず作る型(カタ)が違うからなのです。

この型のことを専門用語で「ラスト」と言ったりします。

昔はラストを木型と言って木材を削って作っていました。今ではプラスチックをつかったプラ型、金属からできる金型など、靴の製法や加工作業に適した素材に変わってきています。

ちょっと話がそれてしまいました。

日本では靴のサイズを、〇〇cmと表記しますよね。

当然これは靴の内側、つまり内寸を指すのですが、カカトからつま先の縦の長さを指したサイズになります。

私たちがいつも〇〇cmと言っているのは、靴の縦の長さのことなんですね~!

しかし、靴のつま先を考えてください。

靴のつま先は、尖った形もあれば、丸い形をしたものもありますよね。

人の足の形は千差万別と言えど、とんがった形なんて、足とピッタリはまる!って訳にはいかないですよね。

かっこよく見せるために、あえて足と違う形に成形している靴がほとんどなのです。

そのせいで、

どう考えても足が入らない部分ができます。

そんな、足が入らない余白として設計された「捨て寸」と呼ばれる部分がつま先には存在しているのです。。

捨て寸は、履く人の足の形によっては、足が入ってしまう場合があり、そのせいで、表示サイズよりも大きく感じてしまうのです。

それが靴の形によって無数にあるのです。

だからこそ、靴のサイズは種類が違うと同じサイズ表記がされていても、大きく感じたり、小さく感じたりするんですね。

だからこそ、靴のサイズは、メーカーやモデルによって違うのです!

みなさんも、靴選びの際には自分のサイズはあくまで基準サイズと考え、その前後のサイズも履いてみるようにするといいかもしれません。